• 2026. 08. 11

島町より愛をこめて「君は、WILLIAM BLISSを知っているか」編

知っているか? by 黒岩省吾 Ⓒ東映

ウェディングピーチのオープニングテーマを味わえる紳士になりたい、島町洋服の中村です。
その後番組の超光戦士シャンゼリオンから、この一言を言ってもらうためだけに黒岩知事をお呼びしました。

「知っているか?」

黒岩知事、ありがとうございます。

ほんでやな!
“WILLIAM BLISS”(ウィリアムブリス)やがな!
みんな知ってる?

こんなバンチでございます。

ディストリビューターのマルキシさんのHPによると、
フォックスブラザーズ傘下のツイード生地ブランドとのこと。
19世紀に創業。1920年代にフォックスが会社ごと買い取っていたようです。
80年代にミルは閉鎖されましたが、アーカイブの発見を機に、再興へ歩み始めた老舗のブランドでございます。

当初はなんとなーく、最近の英国生地ブランドのマーケティング的な背景から
「これは…FOX BROsだと高くて販売しにくいからサブブランドを立ち上げて、
もうちょい買いやすいカントリーサイトクロスを展開しようとしているんだろうなー。」
といった邪推をしておりました。(嫌なオタク)

しかし、完全に的外れでございました。

何故って「普通にめっちゃ良いお値段で、それに見合った気合の入ったコレクション」だったからです。
めっちゃ高いで!! でも高いぶん、渋いはず。

ヒースの植生と色彩を織り込んだようなチェックから始まります。
懐かしのタッタ―ソール。オルタネイトペーンが良い色です。

んー!確かに渋い。
めっちゃくちゃ渋いわ。

バンチブックの扉に綴られている文章

Colours and Patterns inspired by The Cotswold Countryside.‐
‐コッツウォルズのカントリーサイドから着想を得た色彩と柄。

とは本当に言い得て妙。

トレンドの「アースカラー」として推挙されていたグリーン、ブラウンとは一線を画す、
シャビ―な奥行きに満ち満ちたカラーパレット。
カーレースや乗馬など、アッパークラスの興じるスポーツシーンに選ばれていた
同社のアーカイブからの復刻ということもあり、ビビッドな差し色やダイナミックなパターンも特長です。
ひと味違うカントリカラー&パターンが洒落者の心を掴むのは確実でしょう。

高いけどね!

このパターンや…
このトリコロールとか…!
このグレンチェックなんて…!!

最高じゃねえか。WILLIAM BLISSさん。
ジャケットやトラウザーズにしても、
Tailored CASUALシリーズのアウターにしても良さげ。

正直に申し上げまして、お値段以上…というよりは
お値段に見合ったレアリティと洒脱さをご提案できるシリーズとしてご案内できればと存じます!

っつーわけで、これで皆さまもご家族やお友達に「WILLIAM BLISSって知ってる?」とドヤれるかと……?

あっこちらの方ではなくて Ⓒ刑事貴族
こっちでした。 Ⓒ相棒

……ドヤるには少し足りないかもしれませんねー。

接続に困ったので杉下係長と本城さんに来ていただいてしまいました。
ご足労ありがとうございます。

冒頭申しました通り、19世紀からの悠久の歴史を持つブランドでございます。
掘り下げて調べたくなってしまうのはオタクのサガというもの。
そんなこんなで、インターネットの過去をタイムトラベルできるWeb Archives中の2010年代の同社のHPにて
以下のような記述を発見いたしました。

William Bliss built the Bliss Mill and started production of fine woollen cloth in 1847.‐
‐ウィリアムビルスは1847年に「ブリスミル」を竣工し、上質な毛織物の生産を開始した。

冒頭に記した、80年代に閉鎖されたミルというのが「ブリスミル」なのでしょう。
閉鎖後のミル(=毛織物工場)、どうなっているかご存知ですか?

なんて素敵な建物なのかしら。 Photo by Rob Farrow

なんと!ウィキペディアに独立したページがあるのです。
英国産業界の傑作建築として第二級指定建築…我が国における有形文化財に指定されていました。
80年に閉鎖されたのち、88年にアパートメントに改修されているとのこと…住めるんだ!
ちょっと住んでみたいかも。

建築の様式についてはそのままウィキペディアをご覧ください。
素敵なトスカーナ様式の煙突は、大きな蒸気機関でミルを動かしていた名残りなのでしょうね。

そんなブリスミル。どうやらWW1の頃には大きなピンチを迎えていたようです。

炊き出しに集うストライキ参加者とその家族。
後ろにミルが見えますね。Presented by Serena Martin

工員さんの2/3が参加するストライキが勃発。
ミルの所在したチッピングノートンは、町全体を巻きこむ混乱に陥っていました。
1913年の11月から半年続いた大ストライキ。解決させたのは“カーキの羅紗”だったようです。

軍服用の生地の生産を任命されたことで状況は一転。
数十万マイルのフラノとサージが政府によって発注され、
英国内の毛織物工場の景気はどんどん上昇していきました。
ストライキ後に復職できていなかった工員さんも、再雇用&お給料もアップしてもらえたとか…。

別に、もう一つ。
先程のWeb Archivesに気になる記述を見つけました。

Caroline Wilson has developed a skill where she is able to reproduce the character and appearance of archive cloth using modern yarns and production facilities.
A combination of Caroline’s design skill and the exceptional cloth finishing ability of WT Johnson enable William Bliss to recreate amazing archive cloths.‐
‐キャロライン・ウィルソンは、現代の製糸法と織機を用いて、アーカイブ生地の風合いやデザインを再現する技術を磨きました。
キャロラインのスキルと、WT ジョンソンの卓越した生地整理技術が融合することで、ウィリアム・ブリスはアメイジングなアーカイブ生地を再現することを可能にしています。

前述の、ひと味違うカントリカラー&パターンには、技術的な裏付けがあったのです。
今、我々が見て触れることが出来る同ブランドのツイードたちも、上記の「アーカイブ再現力」の賜物といえるでしょう。

ここまでお付き合いいただき、誠にありがとうございます!
マニア心をくすぐる激渋羅紗ブランド、“WILLIAM BLISS”(ウィリアムブリス)のご紹介でございました。
是非、お仕立てのご検討を賜れれば幸いです。
お写真の生地見本帳はいつでもお店に置いておりますので、是非店頭にて見て触れていただければ!
見るだけ、触るだけならタダだし。

ちなみに、ジャケットをお仕立ていたしますと…
・手縫いのクラシコ仕立てで、143,000yen~
・マシンメイドのベーシックラインで、121,000yen~

…言ったじゃん!高いよ!って。
でも、お伝えの通りです
「お値段に見合ったレアリティと洒脱さ」を身に纏っていただけることをお約束いたしますよ。
どうぞ、よろしくお願い申し上げます。

かしこ