- 2025. 03. 05
島町より愛をこめて「SMITH WOOLLENS‐ABACUS」編
時には生地の話をしたい、島町洋服の中村です。
今回は、SMITH WOOLLENS / スミスウールンズ の ABACUS / アバカスについて。
生地のポテンシャルだけでなく、色柄のラインナップに込められたメッセージも紐解いていければと思っています。
とはいえまず、羅紗屋時代から気になっていたネーミングから考えてみたいところです。
※例の如く、確実に長期戦が予想されます。ちゃっちゃか生地そのものについてご覧になりたい御仁はガルバルディβまで飛ばしてお読みくださいませ。

ネーミングについて、まずはABACUSの公式解説を引用いたします。
“ラテン語を語源とし、ローマ時代に使用された「計算機」からインスピレーションを得たネーミングは、歴史から未来へと繋がる「今」に於いて輝きを放つ、魅力的な服地への探求を表しています。”
より平易な言い方にすると「そろばん」ってことでやんすね。
…そろばんからここまでのドラマティックヒストリカルインスピレーションをゲットするとはさすがだぜ。
手動の計算機が電子計算機:コンピューターに進化し、
AIの搭載により人間の役割・価値、手近な未来のイメージがドラスティックに変化する現在。
そろばんは、メインウェポンではなくなっていますが、完全なる歴史の遺物にはなっていません。実際、我が国においては3257件のそろばん教室が現存しております。(日本珠算連盟加盟HPより。)
我々の装いが、より簡素に快適に進化していく中、誂えのスーツが「ABACUS」の如く人類の営みに深く刻まれるように願ってつけられた名前なのかもしれませんね。
かなり、独断と偏見での解釈ですが「そろばん」とスーツが全く結びつかなかったままご案内していた反省から、少し掘り下げてみました。
ちなみに、ローマの少年がウィンクすることで有名な「柱頭を染める朝日」の柱頭の最上部パーツも「ABACUS」と呼ばれているそう。
古典建築の屋根を支えた、要点となるパーツの名を冠したクオリティとして”不朽不変”の価値をアピールしたのでは?なんて説も飛び出して、日本羅紗学会in島町は紛糾していました。

ところで、上記の画像を引用したwikipediaの記事、建築における「ABACUS」の冒頭に、語源にまつわる記述がありまして…
“from the Ancient Greek ἄβαξ (ábax), ‘slab’; or French abaque, tailloir ~”
翻訳すると
“古代ギリシア語における‘お皿’を意味する、ἄβαξ(エイバックス)、またはフランス語のabaque, tailloirから~”
とのこと。
…Tailloirって!!!

「Tailloir」、発音はタイユアーといったところでしょうか。
ギリシャ語のἄβαξと同じく’お皿’を意味する言葉だったようです。
こちらをキーワードにGoogle検索を行うと建築用語としての「ABACUS」がヒットします。
用例として、建築を論じる2000年代の文章が散見されます。フランス語圏においては、「Tailloir」も、今に至るまで用いられる言葉のようです。
そんな「Tailloir」ですが、ここまでお読みの数寄者の皆様でしたら、
矢木さんや僕と同じくお気づきなのではないでしょうか。
「Tailleur」(テーラーのフランス語)にそっくりだということに。
そっくりすぎて、Google翻訳ですら「Tailloir」を「仕立て屋」と翻訳する始末。

遂にたどり着いた、新説!!
フランス語の、テーラー「Tailleur」にそっくりな言葉「Tailloir」を英訳した「ABACUS」というネーミングは、
フレンチなニュアンスと、古典建築の伝統的価値を感じさせる、英国的スノッブな駄洒落だったのです!!ダジャレ―ヌーボー!!

…何故。
「そろばん」のように誂えのスーツが人類に深く~的なところで、めちゃくちゃ上手に着地できていた。
そのまま本編に入れたはずだった!!
なのに何故、朝のリレーを始めてしまったんだろうか。
何故、矢木に電流を走らせてしまったんだろうか。
ガルバルディβを登場させることなくこんなところまで来てしまいました。
御託を並べすぎました。並べに並べすぎてしまいました。
次回は誓って、いきなりガルバルディβから始めます。
そもそもライラさんの「なーに御託並べてー!」がそこまで浸透してなかったらどうしよう。
ご存じなかった皆様、Zガンダムの7話をご覧ください…あと、服も買ってください。

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