• 2025. 11. 01

島町より愛をこめて「良い羅紗、良いお値段で」まだまだグレー編

前回までのあらすじ
皆様に良い羅紗をご案内すべく、シーズン前に気合の買い付けを行った島町洋服。
そして、その存在を完璧に忘れていた頃、大量の羅紗が入荷されたのであった…

フォースの英国面を感じる…。TM & © Lucasfilm Ltd. All Rights Reserved

どうも。遠い昔、はるかかなたの銀河系でも紳士になりたい、島町洋服の中村です。
「フォースとグレーのスーツと共にあらんことを。」
(ここまでイントロなので、訳わからなくても大丈夫です。)

この人はスターパイレートですね。

さてさて、心ある洒落者にはもれなくおススメしております“グレー”のスーツ。
素敵で“お得な”羅紗が入荷しておりますので、お見逃しの無いようによろしくお願い申し上げます!

薄いブルーのピンストライプ。

最初のご案内はEDWIN WOODHOUSE社のストライプ。
ゴントファミリーがクオリティコントロールをしていた時代※のカシミア混のウーステッドです。
前回の記事でもフィーチャーした「Super120’sウール&カシミア」のクオリティでございます。
(この混率に込められた、機屋の矜持と祈りについてはその記事にまとめておりますので今回は割愛いたします。)

瑞々しい滑らかさ、奥行きと豊かな光沢。
往時の銘品の証は、年月を経ても健在です。

手縫いのクラシコ仕立てで(税込)¥132,000~にてご案内いたします。
20万円が相場のクオリティでございます。
新幹線&飛行機代をペイできるお得っぷりでございますので、ご遠方のお客さまもぜひお越しください!

※私がパダワン時代、羅紗屋マスターKが授けてくれた逸話がございます。
当時、1着分にカットした羅紗を積み重ね続けていくと
イタリアのとあるミルの生地は、ある高さを超えると雪崩れていってしまう。
ところが、スキャバル、マーティンソン、ウッドハウスの羅紗はどこまでも積み重ねる事が出来た。
真面目なものづくりに感動したものだよ。

…機織りと羅紗商を家業として守ってきたジョンブルたちの気概を感じる、大好きなエピソードです。
遠い昔、はるかかなたでもない大阪の羅紗屋さんが感じた「真面目なものづくり」の時代の羅紗なのです。

ジョンブルの矜持を感じてください。
続いてこちらも逸品でやんすよ。

お次は、名門マーチャントH.LESSER社の羅紗。
そろそろ皆様も欲しくなってきてしまったでしょう。
やはり「Super120’sウール&カシミア」でございます。
このクオリティこそが“結局のところ、綾織の頂点”としてご案内されているお店も多いのではないのでしょうか。

職人さんにも、縫いやすさと仕立て栄えを褒められる羅紗です。

前述のWOODHOUSEに比べて、ドライでマットな風合い。
より一層、英国面の深部を感じる事が出来るテクスチャでございます。

こちらは手縫いのクラシコ仕立てで(税込)¥143,000~のご案内。
このお得さをご理解いただける御仁は、相当なスーツ通かとお見受けします。

って、ことですよ。ほんと。Ⓒ講談社

日本ではビスポークテーラーさんや、英国偏愛系のお店の一部にしか展開がないマーチャント。
故に知る人ぞ知るブランドなのですが、こんなエピソードがございます。

200年の歴史を誇る名門「ヘンリープール」の当代当主サイモン・カンディさん。
トランクショーで各地の百貨店を巡りながら、お客様に羅紗を見立てます。
その際のファーストリコメンドのほとんどがH.LESSER社から。

売り場のスタッフさんにを呼び止めて、
「LESSERの生地見本を持ってきてくれる?……え?無いの?」
なんてセリフの後に、ハチャメチャに気まずい時間が流れたとか…。

うちにはあるぜ…レッサーが!

サヴィルロウの雄として、先ずはオススメしたいクオリティだったのでしょう。
イングリッシュテーラリングに不可欠なハリコシ、
エグゼクティブな装いに相応しい、奥行きと迫力を湛える銘品故のエピソードではないでしょうか。
もちろん、島町高麗橋通りの当店からもハチャメチャおススメいたしております。

こちらもレッサーから。

ストライプだけでなく、ソリッドなパターンもご用意しております。
こちらは、ミドルグレーのシャークスキン。
ダンディ&ジェントリーな仕立てに、最も相応しい織り模様でございます。

もちろん120’s & Cashですよ。

仕入れに正直に手縫いのクラシコ仕立てで(税込)¥143,000~のご案内。
(…正直価格で正札商売な島町洋服・KIJIAU nouveauですけど、
果たして、正直すぎる気もしてきた。…まぁ気にせず参りましょう。)

本当にこれ、良いんですよ。

毎日ガンガン着る一着でもなく、ここぞの場面に取っておくのでもなく。
丁寧なローテーションの中で、長く長くお召しいただきたい銘品でございます。
そんな仕立てが、クローゼットに丁度良い数だけある暮らし、お手伝いできれば幸いです。

でも島町洋服は100着持ってくれよな!! Ⓒ大和書房

急に馬鹿になってしまいました。スミマセン。
でも本当、100着くらい欲しくなる仕立屋を目指してがんばります。

これの良さ、分かって欲しいんだよなー。

さてさて、例の如く馬鹿長い生地となってまいりましたので本稿最後のご紹介といたします。
L.B.D社のOYSTER。チャコールグレーのシャークスキンに、深紅のピンストライプが走ります。

48番手の縦横2FOLD。ヴィンテージ生地と見まごう質実剛健なクオリティです。
手に取った瞬間、仕立て栄えを確信していただけるかと存じます。

迫力満点の構築的なスーツに仕立てるもよし、
柔らかさと軽さに長ける仕立てに、そのハードなハリコシ活かすもよし。
どんなお召し物になるのか、ご案内がとても楽しみな羅紗でございます。

栄光のMADE IN HUDDERSFIELDでやんす。

手縫いのクラシコ仕立てで(税込)¥132,000~にてご案内さしあげます。
HARRISONS社がペットネームを継承し生産している現行シリーズは(税込)¥187,000~を頂戴しておりますので、お得さも一入かと…。

さてさてそんなこんなで、本日もあしひきの山鳥の尾のしだり尾の如く長々しい記事にお付き合いいただき、誠にありがとうございます。
「まだまだグレー編」と称してお送りいたしましたが

グレー以外も仕入れてるんですよね。そりゃそうだよね。

っつわけーで
珠玉の羅紗紹介はまだまだ続くよ!

僕も早く紹介したいんやけどね!Ⓒ講談社

かしこ